こんにちは!今回はOfficeのライセンス認証でエラーが発生し認証ができなくなってしまった場合の対応事例を紹介していきたいと思います。
このエラーは、Office製品を正常に使っているなかでいきなり「ライセンス認証をしてください」と表示されて遭遇するケースがほとんどだと思います。
恐らくこの現象は、一般ユーザー向けのパッケージライセンスではこの事象は起きないと思われます。法人向けのボリュームライセンスにて確認しました。
また、他のバージョンのOfficeやOffice365などでも同様の事象が発生する可能性はありますので、この記事を参考にしてもらえればと思います。
事象
Office製品を起動したときに、下記の画面が表示されてしまう。
また、Officeのライセンス状態を確認するとライセンス認証が必要との画面が表示される。
また、Officeのライセンス認証用スクリプトである「OSPP.VBS」を「/act」オプションを付けて実行すると下記エラーメッセージが表示される。
the software licensing service reported that the application is running within valid grace period
0x4004F00C
このことから、ライセンス認証の猶予期間中で実行されていることが分かる。
上の画像から読み取れる「19日」というのがそれに該当すると思われる。
■MicrosoftのOSPP.VBSリファレンス
https://docs.microsoft.com/ja-jp/deployoffice/vlactivation/tools-to-manage-volume-activation-of-office
原因
これはボリュームライセンスを管理している「KMSサーバ」をOfficeが見失ってしまい、ライセンス認証ができないまま180日経過してしまい、ライセンス猶予期間に入ってしまったため起こります。
通常、インストール後にKMSサーバを見失うことはないのですが、下記のようなシナリオで発生することがあります。
- KMSサーバを引っ越したり、廃棄した
- 一度認証させた後に、ネットワークから隔離した状態で使用しつづけた
- 格安ライセンスキーなどの正体がボリュームラインセンスで、配布した業者が廃業などでKMSサーバを停止した
他にも考えられるとは思いますが、このあたりが原因になっていると思います。
解決方法
どのケースでも、再認証が完了できればOKです。
1.KMSサーバを引っ越したり、廃棄した
これは管理者向けのシナリオだと思いますが、KMSサーバのリプレースやドメインの引っ越しなどがあった場合です。旧環境で認証されたクライアントは旧KMSサーバのアドレスを持ち続けてしまう事があります。
下記のようなコマンドで正しいKMSサーバへ向き先を設定して再認証させればライセンスできます。
cd /d [Officeのインストールパス] OSPP.VBS /sethst:[新しいKMSサーバアドレス] OSPP.VBS /setprt:[KMSサーバのポート] OSPP.VBS /act
■実行例
Office2016(32bit版)で「KMSサーバ名:kms-serv.com」「ポート:1688」のKMSサーバを設定する場合
cd /d "%programfiles(x86)%\Microsoft Office\Office16" OSPP.VBS /sethst:kms-serv.com OSPP.VBS /setprt:1688 OSPP.VBS /act
※もちろん新環境のKMSサーバが正常に動作し、通信ができる事が前提です。これで認証できない場合はKMSサーバ側の設定を見直してみるとよいでしょう。
2.一度認証させた後に、ネットワークから隔離した状態で使用しつづけた
こちらは簡単ですね、ネットワークに接続してしばらく待っていれば認証されるかと思います。
その際は購入したライセンスを持っているKMSサーバのあるネットワークでないと認証されませんので、会社のPCなら社内ネットワークなどに繋げないといけないと思います。
180日認証されてないことが条件の一つですので、テレワークで半年以上出社していない場合などでは起こりうるかもしれませんね。
それでも認証されない場合は、「OSPP.VBS」に「/act」オプションを付けて実行してみてください。
何かしらの別のエラーが出てくるかもしれません。
cd /d "%programfiles(x86)%\Microsoft Office\Office16" OSPP.VBS /act
3.配布した業者がKMSサーバを停止した
残念ながらこのケースは対処方法は基本的にありません。
正規版のライセンスを購入するか、購入した業者に問い合わせをしてKMSサーバの確認することくらいしかできないと思います。
ネットワークにしばらく接続して認証されなければあきらめるしかないでしょう。
まぁあまり褒められた使い方ではないと思うので、この際ちゃんとしたライセンスを購入された方がいいかと思いますよ。
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あとがき
今回はMicrosoftOfficeのライセンス認証で0x4004F00C,0x4004F00Dエラーが発生する場合の対処方法を紹介させていただきました。
KMS認証はシステム管理者にとってはかなり身近な存在ではあるのですが、そのほとんどが放置していても正常動作しており、手をかける必要がありません。そのため、機器そのものがリプレイスされたり、担当者が変わったりすると途端にブラックボックスになってしまう事があります。
環境が変わるときに問題になりがちですので、設定時の資料や引継ぎはしっかり行いましょうね♪
なにかのお役に立てれば幸いです。
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