こんにちは!今回は一般向けのWindowsライセンスの種類について解説していきたいと思います。
有料で提供されるソフトウェアのほとんどは、「ライセンス料」と呼ばれる使用料を支払うことで使用することができます。そして、その「ライセンス:使用権」を購入し、実際に使い始めるときに行うのが「ライセンス認証:アクティベーション」です。
Windowsをはじめとするマイクロソフト製品は、このライセンス認証を「プロダクトキー」と呼ばれる認証用の文字を使ってアクティベーションを行うのですが、いくつかの方式が存在します。
今回はそんなWindowsのアクティベーション方法を解説していきたいと思います。
Microsoftのライセンスの種類
通常、Microsoftの一般向けライセンスでは、1台のコンピュータに対してアクティベーションするライセンスを購入することになります。
ここで少し勘違いしやすいのであらかじめ説明しますが、インストールすること自体はプロダクトキーが無くても行うことができます。いわゆる「試用版」の状態で使用することが可能です。
ですが、通常は試用期間が設定されていて、30日間しか使用できなかったり、いくつかの機能制限があります(o365が使えない、更新ができない、デザインの変更ができない・・・等)
この制限の解除を行い、ソフトウェア本来の性能を使えるようにするのが「アクティベート」です。
そして、アクティベートを行う権利が「ライセンス」で、我々はこれを購入しているわけですね。
また、アクティベートを行う事を「ライセンス認証」とMicrosoftでは言います。
前置きが長くなりましたが、この「権利」の違いによってライセンスにはいくつかの種類が存在します。
一度購入するとほぼ永続的に使用できる「パッケージ版」と、制限のある「DSP版」「OEM版」といったものです。それについて個別に説明していきたいと思います。
パッケージ版
パッケージ版は最も一般的なライセンスです。
同じプロダクトキーでアクティベートできるのは1台だけですが、新しくコンピュータのハードウェアを買い替えた場合でも、古いコンピュータからOSだけ引っ越すことが可能です。
自作PCを作る人にとってはパーツを交換したり、そもそも全部新しいものにしてみたりという場合も多いので、有用です。ですが、パーツを頻繁に交換しない限りそんな場面に直面しないので、パッケージ版を購入する人は相当なお金持ちでない限りメリットは少ないでしょう。
あまりコンピュータの構成を変えないのであれば、後述のDSP版のほうが安く入手できるのでオススメです。パッケージ版は制限がない分、価格が高いのも特徴ですね。
また、「デジタルライセンス」として、Microsoftアカウントに紐づけることができます。
※デジタルライセンスの説明は後述します。
DSP版
DSP版はハードウェアに紐づいたライセンスです。
登録されたハードウェアが搭載されているコンピュータのみにインストールが可能なライセンスになります。制限がある分、パッケージ版に比べて大幅に安く入手することができます。
たとえば、ハードディスクと一緒に購入した場合、そのハードディスクを別のPCに移植し使い続けていれば問題ないライセンスになります。
基本的に一度作ったPCはそんなに簡単に壊れたりはしませんし、普通の人であればパーツ交換したりしませんので、DSP版で十分なのではないでしょうか。
費用も抑えられますし、いざとなったらルールに基づいて新しいPCを組み上げればよい訳ですから。昔はそれを見越して、外付けのブルーレイドライブなどと購入している人も良く見かけました(今でもそうなのかな?
DSP版の制限はハードウェアとの紐づいているのですが、ぶっちゃけマイクロソフト側でこれを100%把握しているわけではありません。Windowsでは、自分自身を実行しているハードウェアの構成を記憶する機能があり、それが変更されたと検知したとき、ライセンスを再認証するよう促すようになっています。
その際は、小変更であればインターネット認証可能、大幅な変更だと電話認証が必要になります。
自分の経験上、この変更の程度はやってみないとわからないので一概にこれを変更したら電話認証が必要とは言えません・・・。
他人にハンドメイドPCを作ってあげたり、使い終わったらパーツごと破棄してしまうパソコンではDSP版が適切かと思います。大体10年くらいの周期で新しいOSに切り替わりますしね。
OEM版
OEM版はパソコンメーカーなどに向けた特別なライセンスです。
メーカーはパソコンを売るときに、最初からWindowsをインストールしてくれています(:プレインストール)その時につかうライセンスがOEM版になります。
OEMライセンスは、そのパソコン自体に紐づいたライセンスですので、パソコンを破棄するときには同時にライセンスも失いますので注意が必要です。
新しくPCを購入したときに、「Windows持っているから安くしてよー」みたいなことが起こらないのもこのせいですね。
また、故障などでストレージ(HDDやSSDなどの記憶装置)を交換する場合はちょっとグレーで、マザーボードが変わっていなければ、電話認証にて交換した旨を伝えればほぼ認証コードを教えてくれます。まぁこの辺はしょうがないという判断なのでしょうね。
【番外】購入したライセンスが違反状態になる理由
現在Windowsは、ほぼインターネットでの認証にてアクティベートされています。
故に、Microsoftのサーバーにはプロダクトキーとそれがアクティベートされているかの情報が集約されています。
ということはライセンス違反になってしまう場合、そのライセンスが他のPCでアクティブ(:認証済み)の状態になっているということです。
正規のパッケージ版であれば、以前に自身でインストールしたものが残っているため、一旦プロダクトキーをアンインストールしてあげればよいでしょう。DSP版であれば電話認証にて対応できるケースがあります。
ですが、通販などで買った、一度も自身でアクティベートしたことがないライセンスが使えないというケースは問題です。よくあるケースとしてはOEM版を不正に販売する業者から購入してしまい、その業者がマイクロソフトからライセンスをはく奪されてしまい、アクティベートできないというものです。
こういった危険性がついて回るので、あまりケチらずに正規購入してしまったほうが余計な労力をかけずに済んだり精神的な安心を得られますね。
デジタルライセンスについて
デジタルライセンスは、Windows10から導入された仕組みで、プロダクトキーを別の何かに紐づけることが出来る仕組みです。大きく分けて2パターンあります。
マイクロソフトアカウントに紐づける
こちらは、所有者のマイクロソフトアカウントに紐づけることで、パソコンを引っ越ししたときでも、自動で認証してくれるものになります。パッケージ版のWindows10のみで利用できます。
単純にデジタルライセンスが登録済みのマイクロソフトアカウントでログインするだけで認証が済むので、非常に楽にOSの引っ越しが完了します。
もちろん、引っ越し元のパソコンのライセンスはなくなりますので、あらかじめライセンスをはがしておく必要があります。
マザーボードのBIOSと紐づける
こちらは、どちらかというと中古品にメリットがあるものです。
ほとんどのメーカー製パソコンはマザーボードにデジタルライセンスとして紐づいています。ということは、パソコンを売った人がそのOSを別のPCに移し替えてしまうという行為ができなくなります。
となると、中古PCを買ってもライセンスされないというトラブルが起きにくいということですね。
昔はよく「OSなし」の中古PCが激安で秋葉原などで販売されていました。
今となってはあまり見かけなくなったのにはこんな理由もあったんですね。
※そもそもパーツ交換できるPCが主流でなくなりましたし、ユーザーの知識もそこまで必要なくなったのもありますが。
あとがき
今回はWindowsのライセンスについて簡単に説明させていただきました。
普通に使っている分にはあまり意識しないところではありますが、自分の使っているWindowsがどういうものなのかを知る機会にしていただければ嬉しいです。
今現在、パソコンを購入する場面では、お店に売っているものをそのまま購入するスタイルがほとんどだと思います。自作PCのお店もだいぶ少なくなってしまいましたしね。今時OSを単体で買うなんて事そんなにないと思います・・・。
ですが、まだまだ自分でパーツを選び、一台のパソコンとして作り上げるのはコンピュータを知る上でとても有効な手段です。とくに自分で予算を決め、その中で自分に合ったパーツを選ぶという行動は、値段と性能、パーツの特性などを調べていくうちにハードウェアに詳しくなる良いきっかけになると思います。
そういった経験が後々機器を売る業者(:ハードウェアベンダー)やその方々を相手にする業種(:システムエンジニア)などで活きてくるのだと思います。
何かのお役に立てれば幸いです。
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