こんにちは!今回はマツダのCX-30を試乗してきましたので、試乗車のレビューをしていこうと思います!
CX-30はマツダの2019年10月に発売したSUVです。
比較的新しいモデルで、今まで発売されていたSUVと比べて少し趣が違う車に仕上がっています。
スポーツ・ユーティリティ・ビークル(以下:SUV)といえば、クロスカントリー車(以下:クロカン)と呼ばれていた、ゴッツイみための4WD車を街中やお出かけに向くように乗りやすくした車のイメージが強いと思います。車高が高く、荷物がいっぱい乗る・かっこいい!そんなSUVは今や大人気で、どの自動車会社でもこぞってSUVを開発しリリースしています。
自分はどちらかというとCセグメント(大体:5ナンバーサイズハッチバックセダン)が好きで、Mazda3を以前に購入しています。そのMazda3を点検のために入庫した際に代車として貸していただいたのが今回のMazda CX-30です。
せっかくなので、試乗がてらさまざまなポイントを見せていただけたのでインプレッションレビューとして投稿させていただきます。
基本情報
まずは車の基本情報です。詳しくはカタログを見てもらうのが良いと思うので、ざっくりとした性能を表にさせていただきました。
車両サイズ | ■全長×全幅×全高:4395×1795×1540mm ■ホイールベース:2655mm ■車両重量:1530kg |
エンジンスペック | ■エンジン:直4DOHCディーゼルターボ ■総排気量:1756cc ■最高出力:116ps/4000rpm ■最大トルク:27.5kgm/1600-2600rpm |
足回り | ■サスペンション前/後:マクファーソンストラット/トーションビーム ■ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク ■タイヤ前後:215/55R18 ■トレッド前/後:1565/1565mm |
燃費性能 | ■WLTCモード燃費:14.8~19.2km/L |
安全装備/ドライバーサポート | ■衝突回避サポート ■車線逸脱サポート ■レーダーオートクルージング(前車追従機能) ■オートハイビーム ■駐車時障害物検知システム ■ペダル踏み間違え抑止システム ■前席シートヒーター、ハンドルヒーター搭載 |
新車価格 | ■230万~400万程度 |
これだけを見ると、3ナンバーサイズの安全機能もりもりの車ですね!
今回試乗したのがXD L Proactiveというグレードのものでディーゼルエンジンの布シートのモデルになります。
試乗インプレッションレビュー
外観 -エクステリア-
さて、まずは外見を見ていこうと思います。カタログなどの写真ではだいぶ丸っこく見えるのですが、実車は写真で見るより低い印象で、普通のハッチバックセダンを若干背を高くした感じです。
真横から見た時のこのドアパネルやらのうねり感がMazdaの車って感じですね。一体このドアの成型にはどんな企業努力があったのか・・・こんな形にしたらドアがしっかり閉まるように収めるのは本当に大変だったと思います。色もすごく良く、深い赤でとても綺麗な色をしていました。
フロントマスクは今のMazdaの象徴ともいえるデザインですね。フロントグリルが謎の網目状になっており、光の当たり具合で表情が変わります。個人的には好きなデザインです。もっとクロカンよりのCX5やそもそも横幅の小さいMazda2(旧デミオ)はフロントが縦長にみえるのですが、恐らく下側の樹脂パーツの高さのおかげで低く見せているのだと思います。その効果は大きく、往年のスポーツカーのような低いボンネットのような印象に仕上がっていますね。
光の当たり方で表情が変わるのもグリルだけでなく色も変わっているのがよくわかるとおもいます。空の青と混じったときの色がこの写真だとよく出てると思います。夜の自動車や街頭の明かりでもきっといい表情を出してくれるいい塗装だと思いました。
リアはSUVらしい迫力のあるデザインですね。ハッチドアも単なる板っぽいデザインではなく、うねりを持った曲面のものでここでも成型技術の高さを感じ取れます。若干優しそうな顔ですね~眠そうです(笑)
内装 -インテリア-
黒を基調としたシンプルなデザインだと思いました。落ち着いた感じに加えて上質な印象をうけます。ハンドルやシフトノブはもちろん革巻き仕様です!この手触りがたまらないです!
また、センターディスプレイは8.8型で横長の形をしています。これがドライバーにはちょうどいい高さで、運転中目線を妨げずいい具合でした。
メーターパネルは一見、針のアナログメーターに見えますが、センターは液晶ディスプレイになっていて、いろんな情報を表示できるマルチメーターとして働いてくれます。昼夜問わず見やすかったです。
プラスチックパーツはそのほとんどがピアノブラック(光沢のある黒)で、安っぽく感じません。
ドアノブ等マットなサテンシルバーになっており、ぎらつきを抑えたいい具合に仕上がっています。
ドリンクホルダーはまさかのパカパカ仕様!ドリンクホルダーが隠せるものは多いですが、こういう生活感を抑える仕組みは素敵ですね。
リアハッチは下まで大きく開くタイプで、荷物の積み下ろしは楽な部類だと思います。リアシートを倒していない状態でも結構荷物は乗りそうな印象でした。
走り
肝心の走りですが、正直に言ってしまえばスポーツカーのような車主体のドラマティック感はありません。というのも、私はRX-7を現在も所有しており、その過激さに比べたら「とんでもねぇ車だ!」という部分はどうしても薄れてしまいます。
ですが、人主体の目線で見てみると、その価値は輝きます。
低速からでも余裕のある発進力、一般道でスムーズな乗り心地、高速道路での安心快適な空間づくり。
そんな運転する人の快適な空間を演出するために作られたと思いました。
ちょっとした峠道も走りましたが、サスペンションの堅さも柔らかすぎず固すぎずでちょうどよく、これも車が主張するタイプの楽しみではなく、人がどれだけ快適に過ごせるかをテーマにしているように思えます。
少し踏み込んだ運転をしてみても挙動は安定の一言で、「走れなくもないぞ!」という意思は感じ取れます。ですが、この車は頭を真っ赤にして走るよりも、「そういうこともできるけど、紳士じゃないよね?」みたいな大人さを感じる走りでした。
これはマツダ車全般に言えることかもしれませんが、「運転の楽しさを残したまま、運転の難しさを取り除いた」
・・・そんなインプレッションでした。
良かったところ
何よりかっこいい!
いや~、素直にかっこいいでしょ!この一言に尽きます。これはその人の好みもあると思いますが、丸くてデブッチョな印象になりがちのSUVのなかでも、スタイルのいいグラマラスなボディなので素敵だと思います。
やはりその部分は先述した樹脂パーツによるかさ上げがあるのでしょうね。
色の入っている部分を狭く見せることでシュッとしたスタイリングを実現しているのだと思います。
まぁそれでも丸っこい印象はあるのですが、流行りを取り入れ、スタイリングも崩さすというデザイン力はさすがだと思いました。
山でも街中でも映えるっていうのは所有している人にとっては最高の喜びになると思います。
思ったより車内がひろい
かっこいい車にありがちなのが室内空間が狭いことです。スポーツカーに比べるのは恥ずかしくなりますが、断然広く思います。
これは高さや横幅のあるSUVならではの快適ポイントだとおもいます。おかげで窮屈な印象を受けませんし、「人を乗せたくなる」という気持ちにさせてくれます。
外見からシュッとした印象を与えられているので、「狭いんじゃないか?」と思われやすいのですが、実際は全然そんなことなかったです。
先進技術がてんこ盛り
やはり現代の新車です。安全に対する意識レベルが昔の物とは違います。
自動ブレーキや前車追従は当たり前。ペダルの踏み間違い防止や車線逸脱防止もしっかり機能していました。
車線逸脱に関しては長距離を運転し、レジャーを楽しんだ後などには安心感があります。
Mazda3もそうでしたが、ONにしておけばハンドル操作を自動で行ってくれます。
若いころは平気だったのですが、年齢を重ねていくと帰りの運転が非常に不安になります。
そうなると覚悟を決めて出かけるか、レジャーを楽しまず運転に備えなければと全力で楽しむことを保留にしてしまうことがあります。
運転はその行為そのものよりも「精神的に緊張感をもって行うことによって安全は保たれるもの」であるとも言えます。ですが、過度な緊張感は疲れという形でドライバーを襲ってきます。サポート機能の登場によって、そんなドライバーへのタフさの要求を軽減してくれるのは出かけようという気持ちをもう一度思い出させてくれますね。
音響がすこぶる良い
今回は標準のオーディオシステムが搭載されているものに試乗しましたが、今のオーディオはとても素晴らしいですね。
「マツダ・ハーモニック・アコースティックス」というらしいのですが、8スピーカーを搭載しています。取付位置も計算された配置になっており、リスニング空間としてかなり良いと思いました。
よくあるオーディオカスタムの車にありがちな低音が効きすぎているというものではなく、澄んだ高音とそれを支える低音といった形で全体的にバランスが取れたよいオーディオシステムだと思います。
これは音楽の流行りにもよると思いますが、ビートのきいたクラブミュージックやハードなロックよりも、もっとイージーリスニングなサウンドを求めている人が多いからとも思います。そういったところも紳士なドライビングに適した形になっているのでしょうね。
とはいえ、低音が効いてないわけではないので十分ロックやクラブミュージックを楽しむことはできます。あくまで、外に漏れるような超爆音で楽しむタイプのオーディオとは違うな~というものです。
内装が外車顔負けの大人なデザイン
質感がすごく良いのは最近のマツダの共通点ですね。
コンパクトカーであるMazda2も同様ですが、どの車種でも一定以上のクオリティは確保されています。
特にすごいと感じるのは500万円を超えるような外車のレベルを見据えるような内装デザインです。平成の中盤くらいではやはり経済危機の影響もあり、直線的なデザインであったり、安っぽいプラスチックむき出しのものが多かったと思います。
それが皮素材をつかったハンドルやシフトノブ、各カバーなどが標準装備になったり、カラーリングや塗装などが各パーツでもこだわったものになったり、全体で一体感のあるトータルなデザインはやはっり高級車を思わせるに足るものだと思います。
今この令和の時代になって、平成の終盤からMazdaの出す車はみな内装へのこだわりがすごく上質になっていきました。販売店を見てもだいぶ上品になったというかお高くなったというか、上位層を狙う印象に変わっていったと思いました。
いい車に乗っているという感覚にさせてくれるのは、内装の良さを実感させてくれます。
悪かったところ
全体からみて燃費は良いとは言えない
昨今の燃費事情は良いものだと20km/Lくらいは走るものが多いと思います。そう考えると20km/Lは一つの指針になるとかと思います。
それがカタログ値で20km/Lを切っているのは少し残念ですね。
とはいえ、このサイズでのSUVでは平均的かよいほうだと思います。
そもそもディーゼルでハイブリッドでもないのにこれだけ走るのはすごいことだと思いますけどね。
車両価格が高い
今回のXD Proactiveグレードですと、新車価格は280万くらいからでした。
低賃金が問題になっている現代ではなかなか躊躇するお値段に思えます。
また、マツダはあまり値引きをしませんしね。
それだけ車に自信を持っているのかもしれません。
良い車であるのでそれなりにお値段が上がるのは当然なのですが、これをホイホイ出せるレベルの人はなかなかお稼ぎになっているのではないかと思います。正直20代で200万を超える車を乗れている人はあまりいないんじゃないか・・・と思いますね。
新車市場は値段がどんどん上がっている傾向にあるので、それから見たら大したことないのかもしれませんが・・・。
綺麗に乗りたくなる
これは個人的な考えかもしれませんが、とても塗装がよい、きれいな車となってくると、どうしても綺麗なまま乗りたくなります。
かっこいい車とは罪なもので、その美しさを保つために日々の洗車代やメンテナンスに車両価格と別で襲い掛かってきます。ピカピカにして乗りたいじゃないですか、かっこよければなおさら。
そんな風に大事に乗っていると、雨の日だったり、レジャーで雪山に行こう!なんてなると少し躊躇してしまいます。ガレージなしで雨ざらしなんかもちょっと敬遠したくなりますね。
とはいえ、いまは塗装の質だったりコーティング技術だったりも向上しているので、綺麗なまま乗ることもそれほどハードルは高くはありません。
ぶっちゃけ、汚れたら洗えばいいんですよ。車は乗ってなんぼです!
オススメポイント
ウィンカーの光方が面白い
CX-30は現在唯一ともいえる「ディミングターンシグナル」を搭載しています。
見てもらえばわかるのですが、特殊な光り方をします。
パッと光った後にゆっくりと減光していくような感じですね。
心臓の鼓動のようなイメージだと言っていましたが、確かに生物的な印象をうけました。なんか呼吸してるみたいです。
こんな光り方をするウィンカーは他にありません。遠くから見てもこの光り方をすれば一発でCX-30だとわかります。どんなにたくさんの車があろうと目立つこと間違いなしです!
AppleCarPlayに対応している
Mazda3との大きな操作感違いはAppleCarPlayに対応していることです。
スマホ全盛期のこの時代です。こういった機能が追加されていることは情報社会に乗る意味でも重要なことだと思います。
もちろん運転中に操作の必要な事は控えるべきだと思いますが、音声認識が使えるようになった今では、ナビを操作したり音楽を操作したりするのに大変有効な手段だと思います。
極力避けるべきですが、ついつい運転中にナビやオーディオに手を伸ばしてしまうのはしょうがない事だと思います。ましてやスマホをいじるなんてもってのほかです。ですが、それをしないとストレスにつながることは間違いではないです。
そういった部分を音声認識とAppleCarPlayとの連携で大きく改善できることもまた事実だと思います。
内装がMazda3とほぼ一緒
これは個人的な要素でしかないのですが、Mazda3に乗っていらっしゃる方の場合、乗り換えたときに操作方法が変わらないのは非常に良い点だと思いました。
今、Mazda3をはじめとした、Cセグメントの車はリセールバリュー(中古車価格)が暴落と言っていいほど下がってしまいました。私のMazda3も数年後の下取り価格は本気で心配しています。
今はまだ買ってそこまで経っていないので十分な値段が付くことはわかっているのですが、それでも新車価格よりもだいぶ落ちてしまっています。
この現状を見るに、販売店側もMazda3を売るに売れないのでしょう。残価設定された場合、その残価よりも価値が下がってしまう恐れがあるからです。
逆にSUVは中古市場での価格が安定しており、なかなか価値が下がりません。高い下取り価格はそのまま次の車の購入時への負担に直結します。
となってくると、我々Mazda3ユーザーが唯一操作感を変えず、SUVという時代の流れに転換するにはこのCX-30が最適であるとなってくるわけですね。
お金をかけても、傍から見て損をしてもMazda3のスタイリングに惚れた人はそのまま乗り続ければよいのです。だってMazda3も最高ですもの!
ですが、乗り換えをする前提であるのであれば、この機会にSUVへの転換も十分にアリだと思います。
あとがき
今回はCX-30について試乗レポートをさせていただきました。
こういう記事を書くと、自分が車が好きなんだなぁと改めて思い知ります。
個人的な目線で書かせていただきましたが、CX-30もMazda3も大変良い車だと思っています。
一昔前はCivicのタイプR(FD2型)やRX-7(FD3S型)、スカイラインGT-R(32型)などに乗らせていただいて、スポーツカーじゃないと車じゃない!とか言っていた部類の人間であるのですが、それは車主体の価値観でした。
これは「すんげぇ車だ!」という体験がとても楽しかったのですね。
ですが、今の車への印象は「安く便利に」を経て、「快適で上質」になりました。「移動するためのツール」ということを重点に置いて開発され続け、それが人主体の乗り物へと変化していったのではないかと思います。
また、Cセグメントの市場がこれほどまでに冷え込んでしまうとは思いませんでした。
Mazda3が出たとき、大変話題になったのを今でも覚えています。
ですが、Mazda3とスバルのレヴォーグくらいでしょうか・・・。ハッチバックタイプで街中で見かける新車は少ないものです。こんな流れになるとは寂しい限りです。
とはいえSUVという新たなジャンルが生き生きとしているというのは素晴らしいことだと思います。メーカーはこれを資金源にしてまた新しいチャレンジをしていってほしいですね。
次は電気自動車の時代が来るわけですが、私はそれまでにエンジンを持つ車はしっかり楽しんでおこうと思います!きっと未来の子供たちには素晴らしい経験になるでしょうから(苦笑)
何かのお役に立てれば幸いです。
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