こんにちは!今回はWindowsのシステム修復を行うコマンドを3つ紹介したいと思います。
Windowsは普通に使っていてシステムが壊れるというとは滅多にありません。残念ながら主なケースとしては2パターンあり、一つは「ハードディスクが壊れてしまい、システムファイルが破損する」ケースです。もう一つは「OSやソフトウェアの更新が失敗してシステムファイルが破損する」ケースです。
どちらも間違った使い方をしていなくても起こりうる大変厄介なものになりますが、そのまま放置しておいても良いことはありません。特にそのエラーを放置したがゆえに、脆弱性が放置されてセキュリティ事故に発展することが一番恐れるべきでしょう。
OS更新パッチが適用できないといった際に発覚することが多いので、そういった際にとりあえずこの3コマンドで修復をしてみると思いのほかうまく行ったりしますね!
※残念ながらこの方法ですべての事象を解決できるわけではありません。一つの手段として提供できればと思います。
それでは早速紹介していきましょう!
sfc /scannow を使ってみる
まずは1つ目としてsfcコマンドを紹介します。
sfcはシステムファイルチェッカーというWindowsプログラムで、その名の通りシステムファイルをチェックするためのツールです。
もちろん、チェックするだけでなく、ファイルの不整合(破損やエラー)を検出した際にはそれを修復しようとしてくれます。
実行方法は下記のコマンドを管理者で起動したコマンドプロンプトかPowershellで実行してあげればOKです。
sfc /scannow
このコマンドでは、通常変更されないようなシステムに保護されたファイルや、誤って削除してしまったシステムファイルを簡単に修復できるため重宝します。
ウィルスなどの悪意のあるソフトウェアからの被害もこれでカバーできるケースもあります(別途ウィルス駆除ソフトの実行は必要ですが・・・)
また、ログファイルは下記に保存されており、失敗時には参考にすると良いかもしれません。
%windir%\Logs\CBS\CBS.log ※初期状態のままであれば、c:\Windows\Logs\CBS\CBS.logに保存されています。
sfcにはScannow以外にも様々なオプションが用意されています。
興味のある方はMicrosoftの関連ページをリンクしておきましたので、こちらを参考にしてみると良いかと思います。
DISM を使ってみる
次はDISMです。
DISMはDeployment Image Servicing and Managementの略と思われます。「展開イメージのサービスと管理」用のツールという意味のようですが、少し難しい言い回しですね。
本来は企業などで配布するためにカスタマイズするためのツールなのですが、これには正常なWindowsと比較して修復してくれるという機能があります。
本当にたくさんの機能があるツールなのですが、修復するという面で見て、よく使う代表的なオプションを2つ紹介します。どちらも管理者で実行しているコンソールが必要ですのでご注意ください。
RestoreHealth
DISM /Online /Cleanup-image /RestoreHealth
まずはRestoreHealthです。
このコマンドを実行すると、今起動中のWindowsに対して破損やエラーがないかチェックを行い、何かしらの不具合を見つけたらそれを修復してくれるコマンドになります。
sfcに似た役割のコマンドになりますが、どちらも修復する領域が違うようで、sfcで直らなかった場合でもこちらで直すことができることがあります。
また、Windowsのインストールディスクやイメージを指定してあげることで、更に強力に修復することができます。指定の仕方はInstall.wimをSourceオプションで指定します。
DISM /Online /Cleanup-image /RestoreHealth /Source:wim:E:\Sources\Install.wim:1 /LimitAccess ※E:\Sources\Install.wimはインストールディスクやマウントイメージのInstall.wimの場所 Wimを指定する場合、ファイルパスの前にwim:が必要ですので注意してください。
ISOイメージファイルはMediaCreationToolを使うことで取得できます。
詳しくは下記の参考記事をどうぞ。
更新で失敗してしまったり、どうしても適用できないKBなどがあった場合は実行する価値があると思います。また、更新が適用できない場合には下記のコマンドも実行してみるといいと思います。
StartComponentCleanup
DISM /Online /Cleanup-image /StartComponentCleanup
こちらはコンポーネントストアというWindowsの重要なファイルを格納する機能があるのですが、これが破損してしまうと更新プログラムを適用することができなくなってしまいます。また、歴代の更新プログラムを格納するため、ディスク容量を圧迫することもあります。
それらを解消することで正常な動作に近づくことができると思います。
DISMのログは下記に格納されています。失敗時などに改善のヒントになりますので、参考にどうぞ。
%Windir%/Logs\DISM\dism.log ※デフォルトでは「C:\Windows\Logs\DISM\dism.log」に格納されています。
こちらもマイクロソフトの記事がありますのでリンクしておきます。参考にどうぞ!
CHKDSK を使ってみる
最後はチェックディスクです。
このコマンドはハードディスクのファイルシステムを修復して動作を改善させるものになります。
また、不良を検知して、その部分を避けるようにデータを引っ越しさせる事ができます。これによって、一時的にハードディスクを正常に使うことができます。
OSの修復というより、ハードディスクの不調を直すコマンドですが、上記のコマンドで直らなかったときに実行し、改めてもう一度上の2コマンドを実行すると修復できたりするので侮れません。
コマンドは下記の通りです。こちらも管理者で実行してください。
CHKDSK /f
「/f」オプションはファイルシステムの修復のみを行います。修復の段階ではこちらを使うことが個人的に多い印象です。
「/r」オプションもよく使われていますが、不良セクタの引っ越し作業が含まれるため、とても時間がかかります。OS修復という面では先に「/f」オプションから試しましょう。
このコマンドではハードディスクを操作するため、起動している状態では実行できない場合があります。その場合はコンソール上に起動時に実行するようにスケジュールするか聞かれます。問題なければスケジュールして実行させましょう。
※CHKDSKはハードディスクに大きな負担をかけます。古いハードディスクで実行する際には注意してください。
あとがき
今回はWindowsの修復コマンドを3つ紹介させていただきました。
どれも大変有用なコマンドであることは間違いないのですが、コンピュータの大事な部分を変更するため、扱いには注意が必要です。可能であれば実行前にバックアップをすることを強くおすすめします。
また、単純に時間がかかります。
今はSSDなどの普及によってだいぶ高速に処理できるようになりましたが、まだまだ瞬時に修復とは言えません。時間に余裕をもって実行してください。
Windows10は品質更新プログラム(QU:QualityUpdate)や機能更新プログラム(FU:FeatureUpdate)を頻繁にだして最新化されていきますが、実際の企業の現場ではすんなり全機適用できることは稀です。
原因調査も容易ではないので、一次対応として「バックアップ→コマンド」で修復という工数削減策もなくはないのかなぁと思いますね。※原因がわからないまま修復されてしまうと再現できなくて困ることもありますが・・・
修復にはこのコマンドだけでなく、OSの上書き更新なども有効ですので、よかったらこちらもご一読いただけると嬉しいです。
なにかのお役に立てれば幸いです。
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