こんにちは!今回はライティング技術の向上方法として、プレゼンテーションによく使われる方法を紹介していこうと思います。
プレゼンテーションは、日常の中でもコミュニケーションという形で様々な場面で見ることが出来ます。ですが、あまりこれを意識して、というよりかは知っていて話をしているという人はあまりいないでしょう。
コミュニケーションには大きな目的として、「相手に伝える」というものがあります。ですが、言葉だけではなかなか「気持ち」や「熱」といった無形のものや、「動機づけ」や「やる気を出させる」のような相手に行動を促すのにはコツがあります。
プレゼンテーションという言葉が一般化するころには、そういった「言葉だけでは伝わりにくい」ものを表現する、「相手の理解・興味・行動」につながるよう、いろんな方法が編み出されてきました。
今回はライティングスキル向上に使えそうな、プレゼンテーションの有名な技法を紹介させていただこうと思います!
文章を設計するという事
日本語には、相手に印象付けるための文法がいくつも存在します。例えば、「できる、必ず」(:倒置法)や「これが一番の方法」(:体言止め)などがそうですね。
ですが、それはとても一時的なもので、文章全体で相手に伝えるにはまた別の方法が存在します。
この全体で文章の計画を立てる事を文章設計と言います。
文章は設計をすることで、最終的に何を伝えたいのかだけでなく、想定する相手や自分自身のレベルなどをしっかり考察ができるので、とても有効な手段です。
伝えたい事 | →A店のチーズケーキは超うまい |
想定する読者 | →20代の若者・A店の近くの住人 |
読者に起こしてもらいたい行動 | →A店でチーズケーキの購入 |
↑それに必要な情報 | A店のチーズケーキの良いところ A店のほかにない良さ |
↑それに必要な自分のスキル | チーズケーキの知識 A店以外のチーズケーキの知識 |
これによって、文章はより整理されたものになっていきます。
ですが、これだけでは内容を整理しただけで設計したとは言えません。
世の中にはいろんな文章の設計方法がありますが、「相手に伝える」ということに特化した方法として、「プレゼンテーション」の話術が挙げられます。
そんな中から、代表的な手法を紹介していきたいと思います。
起承転結法
日本人なら小学生から言われ続けている方法ですね。
文章の全体構成を作る基本として広く認知されています。
主に物語などで使われる手法ですが、義務教育でさんざんやらされた結果、コレしか頭に残っていない方も多いはず。
ですが、きちんと理解し、使うことが出来れば十分通用する技法でもあります。
起 | 語り口のきっかけ | 事実や出来事 |
承 | 「起」に関係した事柄 | 解説や問題提起 |
転 | 「起承」に関わらない事柄などを用いて話を転換・発展させる | 話の主題や転機 |
結 | 文章全体を関連づけて話をまとめる | 言いたいことの結論 |
起承転結法で文章を設計するなら、「結」から始めるのがオススメです。
使用例
例:新型掃除機を紹介するケース
結:掃除機を買おう 転:最近新型掃除機が発売された
このように、「転結」は言いたいことの終着点です。これがブレてしまうといいたいことも伝わりません。そして、これに関連するように「起承」を作成してみましょう
起:掃除機が不調になった 承:吸い残しがある
このように、一つの行動のきっかけから、結論までのイメージしやすい文章の流れが出来上がります。
あとはこれに肉付けをしていくだけで、言いたいことが最後まで含まれた文章を作成することが出来ます。
起:気に入っていた掃除機の調子がいまいちだ 承:なぜか吸い残しも多いし、全体的に古くなってしまった 転:たまたま、テレビを見ていたら、今使っている掃除機の新型が紹介されていた 結:今の掃除機もとても良かったし、新型も機能が良くなっているし、買ってしまおう!
こう読んでみると、「掃除機を買う」という動作に対して、しっかり理由や背景が語られる余地があり、読み手に想像させやすくなっていることが分かると思います。
メリット
起承転結法は日本人にとってはオーソドックスながら、文章を構成する流れを作るには良い方法ですね。共感を得やすいため、コラムやエッセイなどに向いています。
読み味が良いので、ファンを獲得したいような人には良い印象を与えることが出来ます。
また、長文でも流れができるため、一気に読ませたいときでも読む人に負担を与えにくいです。
流れがあるという事を味方につけると最後まで読まれやすい文章を作成することが出来ます。
デメリット
インパクトを与えるにはちょっと弱い部分があります。
それは、言いたいことに対して、話を広げてしまう傾向にあるからですね。
また、流れができてしまうがために、読み流しされてしまう事が多いの不利な点と言えるでしょう。
「面白かった」などという感想は生まれやすいですが、「何を言いたかったのか」となると、割と覚えてないという事になりがちです。
そのため、ブログやお堅い文書ではあまり使われない印象があります。
SDS法
SDS法はプレゼンテーションの話術としてポピュラーな技法のひとつです。
特に結論を相手にしっかり意識してもらうためにはとても効果的な方法です。
S | Summary(要約) | 言いたいことのまとめ |
D | Details (詳細) | 言いたいことの説明をする |
S | Summary(要約) | 言いたいことのまとめ |
SDS法では1つの話題に対して3回アプローチをします。
そのため、相手に言いたい事を強く印象付けることが出来ます。
使用例
S:新型掃除機はすごい D:なぜならば、吸引力は15%も向上しているし、充電式になってコードレス S:だからこの新型掃除機はすごい
このように、「主張」と「その内容」がはっきりしているので非常にわかりやすい文章になります
SDS法はニュースでもよく見ることが出来ます。
S:今週末、東京で大規模な花火大会があります D:きたる〇月×日、東京の△△区では~~~~~~~(省略) S:以上、今週末の東京の花火大会についてお伝えしました
このように、何の話をするのか先に言うことで、視聴者の興味を刺激して内容に集中できるようにするわけですね。また、最後にもう一度要約を付け加えることで、記憶に残りやすくします。
メリット
言いたいことをハッキリと伝えることが出来る手法がSDS法です。
インパクトがあるので、アフィリエイトやPRの記事などに向いています。
相手に気持ちを伝えたり、動機付けなどの感情を刺激しやすいですしね。
相手へ気持ちや行動を促すにはもってこいな表現方法です。
デメリット
逆に、ハッキリしすぎて共感を得にくい部分があります。
内容にもよりますが、筆者の実績や商品のブランド力など、すでに説得力のある場合は大変効果的です。ですが、強すぎる主張は日本人にとっては「うさんくさい」という感情を抱きがちですので、注意が必要ですね。
また、「D:詳細」の部分は書く人の自由になりますので、方向性が定まらないことが多いですね。
しっかりと主張が固まっていない場合は諸刃の剣になりえます。
PREP法
PREP法では、先ほどのSDS法よりも説得力を得やすい手法になります。
結論に対して理解してほしい場合に大変有効です。
P | Point | 結論 |
R | Reason | 結論に至るための理由 |
E | Example | 関連する具体例 |
P | Point | 結論 |
最初と最後に結論を言うのは先ほどのSDS法と同じですが、説明する内容がより細分化されています。
また、SDS法とは違ってやるべきことが明確になっているため、文章を作成するのに迷いづらいというメリットもあります。
使用例
P:新型掃除機はすごい R:なぜならば、吸引力は15%も向上しているし、充電式になってコードレス E:たとえば、こんなに大きなゴミも吸えるし、コンセントに縛られずどこでも使える P:だからこの新型掃除機はすごい
先ほどと同じように掃除機の話をすると、具体的に例を挙げるところに差があります。
言ってしまえば、内容に指定があるだけで、SDSとはそんなに変わりません。
ですが、具体例があるだけでより説得力を示すことが出来ます。
こういったPREP法は就職活動などではよく活用されます。
P:私は一度始めたことには興味をもって活動し、成果を挙げることが出来ます R:なぜならば、たくさんの興味を資格取得に活かすことが出来たからです E1:たとえば、電気工事技術者は幼いころから電気に興味をもち、専門学校で学習し、取得まで辿り着きました E2:ほかにも、コンピュータへの興味を発展させ、より詳しくなりたいという思いから勉学に勤しみ、情報処理技術者を取得しました。 P:このように、興味を持ったことにはしっかり学習し、成果を挙げています
このように具体例はいくつ挙げてもOKです。
理由・具体例をしっかり要点に関連させるとで、きちんと説得することが出来ると思います。
伝える手法ですから、お説教や営業にも使えそうですね♪
メリット
書くべき事、話すべき事の方向性があらかじめ決まっているので、文章を作成するときに迷う時間が少なくなる。そのため、文章を考える時間が短くなるため、短時間での文書作成ができます。
また、受け取る側も「なぜ」「どうして」といった当然の疑問が解消されるため、それが説得力として受け取られやすいです。特に、最短で相手の興味にアクセスするので、相手の理解につながる時間も短くて済むことが多いです。
つまり、理解してもらうのに効率が良いのがPREP法ということですね。
デメリット
理由や具体例は、相手の理解への最短コースと表現させてもらいましたが、実際にやってもらうとわかるのですが、文章がとても短くなりやすいです。
時間内に伝えなければならないケースや、小さな記事コラムなどを書くにはとても有効ではありますが、ある程度の文章量が必要な場合もそれなりにありますよね。
また、ある程度読者の想定が必要になります。具体例は、ある程度受け取り手の想像ができるものでないと、そもそもその説明が必要になってしまいますよね。(まぁそれで文章量を稼ぐという方法もありますが、ここでは邪道ですね)
SDS法とPREP法を組み合わせてブログ向けにしてみる
さて、ここまでではSDS法とPRER法を紹介させていただきました。
どちらもメリットデメリットが存在することがご理解いただけたと思います。
SDSはインパクト、PREPは説得力、となればこれを組み合わせれば最強のプレゼンテーション方法になりそうですよね?
ここからは、この2つを組み合わせた形を考えていきたいと思います。
組み合わせた例
例として、「日本のスポーツカー」についての記事を書いてみようと思います。
S | 日本のスポーツカーは海外でとても人気がある |
D | PREP1 P:信頼性が高い R:質のいい材料と厳しいテストをしている E:日本産の設計が良い部品を使っている P:信頼性が高い PERP2 P:衝突安全性が高い R:人を傷つけない技術が採用されている E:クラッシャブル構造や丸いデザイン P:衝突安全性が高い PREP3 P:燃費が良い R:燃料を消費しない技術を採用している E:ハイブリッドや精度の高いエンジン P:燃費が良い |
S | 日本のスポーツカーは海外でとても人気がありますね♪ |
こんな感じで、文章を設計することができますね。主張したいことは外枠のSDSにのっとり設計します。中身にあたる部分はPREPに従って詳しく説明していくわけです。
ブログで言うならば、それぞれの要点にあたる部分をそれぞれタイトルや見出しにすることが出来ますね。(Sはタイトル、PはH2見出しなど)
これによって伝える・理解される文章が作成しやすくなりますね♪
メリット
最大のメリットは文章量を稼ぐことが出来ることですね。
一つの話題を広げ、より詳しく書くことが出来るという事は、それだけ文章をたくさん書くことができます。この書き方を意識していれば、主張したいことをブレさせず、一個一個の話題に説得力を持たせることができます。
また、伝えたいことを細かくすることで、読者への理解につなげ、説得力の獲得をしやすいです。
PREP特有の説得力を生かし、いくつもの説得力を一つの記事に盛らせることで相乗効果をえられます。
それによる読者の納得感はとても大きいものになるのではないでしょうか。
デメリット
これは、読者の興味を最後まで持たせることが難しいという点でしょうか。どうしても1つの話題に対して長く書くことになってしまい、興味がない人にとっては逆にデメリットになってしまいます。
もともと興味のある人にとっては最後まで読むことは苦ではないのでしょうが、そこまでではない場合は途中で帰ってしまう事もあるでしょう。ですが、読者にとって本当に伝えたい情報が、実は一番最後だった・・・といった場合、悲劇と言うほかありません。
【番外】PECP法
最後に、私がよく使っているPECP法の紹介になります。すでに誰かがやっているのかもしれませんが、自分流に編み出した方法ではあるので「PECP法」と名付けました。
基本的にはSDSの発展形ですが、内容の方向性がある程度決まっているのでPREP法にも近いところがあります。早速その全貌を明らかにしていきたいと思います。
P | Point(要約) | おいしいカレーの作り方 |
E | Example(具体例) | レシピと調理法 |
C | Commentary(解説) | C1:材料のこだわり C2:調理法のこだわり C3:カレー皿のこだわり |
P | Point(要約) | おいしいカレーの作り方でした♪ |
簡単に言うと、先に例を挙げてから、それを理解するのに必要な解説を後から説明する形になります。
スクリプトを紹介する記事などはこの「PECP法」で書いています。
メリット
メリットはやはり、最初にユーザーが必要な情報をまとめ、例として挙げてしまう点にあるでしょう。ライトユーザーは例まで得られればOK、より詳しく知りたいヘビーユーザーはそのあとの解説まで読み進めればいいのです。
前述の組み合わせ方では途中で飽きてしまった場合がデメリットだと申しました。
私が良く行っているスクリプトの紹介などはその典型だとも言えます。
恐らく、ネット検索から来るユーザーは「困ったこと」をキーワードに検索してきます。
となると、「困ったことを解決する」手段が必要なだけであって、内容の詳しい知識は必要としていないことが多いのです。
となってくると、無用な解説は「読むの面倒だしリピートしたくない」といった感情になることもあるのではないでしょうか。
そこを考慮すると、なるべく先に手段を提示し、「解決した」という実績を説得力として解説を読んでもらったほうがはるかに身につくのだと考えます。
デメリット
これも当然ですが、最後まで読んでもらえないのがデメリットでしょう。
最後まで読んでもらえないという事は、その記事を作った労力が100%は活用されなかったということですね。他の記事へのリンクなども記事の最後に置かれることが多いので、回遊率の低下につながると思います。
実際、私の記事の場合は検索から入ってくるユーザーは多いのですが、その分直帰率も高い傾向にあります。ですが、同時にダイレクトアクセス(要はお気に入り登録)されている記事も多く、リピートしてくださるユーザーも多いようです。
これはそれだけ、「ユーザーの問題解決までのスピードが早い」ことを示しているのだと勝手に思っています。
専門的な内容や解説が必須になるような一般的でない記事を書く場合は活用するとリピートユーザーを獲得できるかもしれませんね。
あとがき
今回はプレゼンテーション技法からWEBライティングへつながる手法の一部を紹介させていただきました。
正直WEBライティングと題させていただきましたが、ブログは書き手が自由に書くべきものだと思います。結局最後はその人のファンが残るものですから、その人の持っているもので勝負すればよいのです。
ですが、その自由の中に知識や経験という選択肢もあってよいものだと思います。
知らなければ選択することもできませんし、知っていればそれだけ読者へのアプローチの方法が増えるということですからね。
あなたの持っているモノの中にこういったライティングスキルを取り入れて、成長の糧にしていただければ嬉しいです。
また、有用そうなプレゼンテーション技法には他にもDESC法や、学術文書向けのIMRAD法などといった手法が存在しますが、また今度紹介させていただきますね♪
何かのお役に立てれば幸いです。
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